テリトリー権とは、加盟店が担当するエリアを守る取り決めのことです。これがあると、自分の商圏に同じブランドの店が出てきません。
110ブランドを調べたところ、テリトリーの扱いは「独占権あり」「事前協議あり」「記載なし」の3層に分かれ、しかも記載なしが最も多いという結果でした。
どのフランチャイズが自分に合うか、7つの質問で絞り込めます
掲載中の85ブランドから、予算・働き方・性格の条件に合うものを並べます。合わないものは合わないと書きます。入力は不要、所要1分です。
テリトリーの3つのレベル
| レベル | 内容 | 実例 |
|---|---|---|
| ① エリア独占権 | 決められた地域に他の加盟店・直営店を出さない | ライフデリ(エリア保護保証)、療育支援エフ(福岡県は満枠=エリアを埋めている) |
| ② 事前協議 | 近隣に出店する場合は必ず協議する | ブラリバ(重複しないよう配慮、近い場合は必ず事前協議) |
| ③ 記載なし | 公開情報にテリトリーの言及がない | 110ブランドで最も多い |
「記載なし」は「守られない」という意味ではなく「公開情報からは分からない」という意味です。契約書に条項があるかは、個別に確認する必要があります。
法人で加盟するなら
FC本部の多くは法人での加盟を条件にしています。会社設立には登録免許税などの実費がかかりますが、サービスの利用で実費負担を抑えられる選択肢もあります。
テリトリーの決まり方は業態で違う
法律で商圏が決まっている業態
りんくす(訪問マッサージ)は、治療院から半径16kmの営業商圏が国により定められています。本部の方針ではなく制度上の枠です。
こうした業態では、本部が自由にエリアを切れないため、結果的に加盟店は守られやすくなります。
本部が物件を選ぶ業態
M’sアイブロウは、契約に先立って本部が希望エリア周辺の市場調査・競合分析を行い、出店エリアの決定後に加盟契約を締結します。STREET CHURROSも専門業者による商圏調査を行い、物件確定後に契約する流れです。
この進め方は加盟者にとって安全です。立地が決まらないまま加盟金を払うリスクがありません。
テリトリーの概念が薄い業態
催事・移動販売型(ジェリーズポップコーン、大判小判)は、出店場所が毎回変わります。本部が出店先を紹介する仕組みなので、テリトリーよりも「出店枠の配分」が実質的な争点になります。
この場合に聞くべきは「エリアは守られますか」ではなく、「希望する日程と場所の枠を確保できますか」です。
テリトリーがないと何が起きるか
① 同ブランド同士で客を奪い合う
最も直接的な被害です。本部にとっては店舗数が増えれば売上が増えますが、加盟店にとっては商圏が削られます。本部と加盟店の利害が一致しない典型的な場面です。
② 集客を本部に依存している場合は致命的
本部が案件を振り分けるタイプでは、エリア内の加盟店が増えると1店あたりの配分が減ります。
たとえば本部が「平均8件/月の反響」と説明していても、同じエリアに加盟店が2店あれば単純計算で4件ずつです。「月何件」の前に「そのエリアに何店ありますか」を聞いてください。
③ 撤退時に売却しにくくなる
エリアが守られていない事業は、第三者に譲渡するときの価値が下がります。
開業後、この数字を管理するのはオーナー自身です
本部が示すPLはあくまでモデルケースです。実際に原価率や人件費率が計画どおりに収まっているかを毎月確認し、ズレの原因を潰していくのは加盟店側の仕事になります。開業前の事業計画づくりから決算まで相談できる税理士を見つけておくと、数字の異変に早く気づけます。
確認すべき5つの質問
- 「私の商圏に、他の加盟店や直営店が出店する可能性はありますか」
- 「その取り決めは契約書のどこに書かれていますか」
「配慮します」と「保証します」は別物です。条項として存在するかを確認します。 - 「テリトリーの範囲はどう決まりますか」
半径何km、市区町村単位、人口何万人あたり1店など、基準を聞きます。 - 「現在、このエリアには何店ありますか」
案件配分型では、この数字が収入に直結します。 - 「エリアを超えて営業してもいいですか」
守られる代わりに、外に出られない契約もあります。家工房やMEO系FCのように「他県での受注も可能」とする本部もあります。
守られることのデメリットもある
テリトリー権は両刃です。自分のエリアが守られる代わりに、隣のエリアには出られません。事業を伸ばしたい人にとっては制約になります。
逆にエリア制がゆるい本部では、自分の裁量で商圏を広げられます。どちらが有利かは、守りたいのか攻めたいのかで変わります。
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失敗しないフランチャイズ本部の選び方
契約前に“数字”と“条項”で見抜く
この記事で挙げた「確認すべき点」を、どの本部にも使える形にまとめました。本文8,800字。
- 良い本部と危ない本部を見分ける判断基準(数字で確かめる方法つき)
- 契約書・開示書面で必ず質問すべき条項
- 収支シミュレーションの「盛られやすい場所」と、その見抜き方
- 説明会と既存オーナー訪問でそのまま使える質問テンプレート
- 購入者特典:チェックリストPDF/収支シミュレーション添削シート/質問テンプレート
「満枠」という情報は重要なサイン
療育支援エフは福岡県が満枠、MEO系や配食系でも「このエリアは埋まっています」という案内が出ることがあります。
これは本部がエリアを管理している証拠でもあります。どこでも誰でも加盟できる本部より、エリアを締めている本部のほうが、加盟後の商圏は守られやすいと考えられます。
ただし裏を返せば「良いエリアはすでに埋まっている」ということでもあります。残っているエリアの条件を、冷静に評価してください。
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まとめ
- テリトリーは独占権・事前協議・記載なしの3層。記載なしが最多
- 公開情報に書かれていなくても、契約条項の有無は個別に確認できる
- 集客を本部に依存する業態ほど、エリア内の店舗数が収入を左右する
- 守られる代わりに外へ出られない契約もある。攻めたいのか守りたいのかで評価が変わる
テリトリーは、契約前にしか交渉できない条件です。加盟後に「近くに同じ店ができた」と気づいても、契約書に書いていなければ打つ手はありません。
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