FC開業の税金と経費|本部のモデル収支に入っていないものと、税理士に頼むタイミング

フランチャイズ経営では、本部が示す収益モデルに税金が入っていないことがほとんどです。「月の利益100万円」と書かれていても、そこから税金が引かれます。

そしてFC特有の経費の論点がいくつかあります。この記事では、本部資料だけでは見えない部分を整理します。

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目次

本部のモデル収支に入っていないもの

項目 本部モデルでの扱い
所得税・法人税 通常は含まれない
住民税・事業税 通常は含まれない
消費税 触れられないことが多い
社会保険料 法人なら役員でも加入対象。モデルに入っていないことが多い
オーナー自身の人件費 引く前の数字になっていることが多い

最後の項目が特に重要です。ジェリーズポップコーンの「専業型で月の利益49万5,000円」は、1日10時間・月25日の立ち仕事をオーナー自身が行う前提の数字です。自分の労働対価を引く前ということになります。

O-chan Donutsも「人件費はオーナーが店舗運営のすべて、あるいは一部に従事した場合の試算」と注記しています。

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FC特有の経費の論点

① 加盟金は一括で経費にならないことがある

加盟金の税務上の扱いは、金額や契約内容によって変わります。一定の要件に当たる場合、支出した年に全額を経費にするのではなく、繰延資産として複数年に分けて償却することになります。

加盟金が100万円を超えるFCは珍しくありません(STREET CHURROS330万円、ブラリバ275万円など)。初年度にどれだけ経費に落とせるかで、納税額が変わります。契約前に税理士に確認する価値がある部分です。

② 保証金は原則として経費にならない

返還される保証金は預け金の性質を持つため、支払った時点では経費になりません。SMASELLの保証金10万円(退会時に返金)、かきのおきての保証金100万円などが該当します。

「契約時に540万円払った=540万円が経費」ではありません。内訳ごとに扱いが違います。

③ 研修費・開業前の支出

開業前にかかった費用は開業費として扱われることがあります。FCCのように研修期間が2カ月に及ぶケースや、かきのおきてのように研修が計28日間に及ぶケースでは、その間の交通費・宿泊費も記録を残しておいてください。

④ ロイヤリティは毎月の経費

ロイヤリティ、システム利用料、広告分担金、月会費は毎月の経費です。名称が違っても扱いは同じなので、まとめて管理すると分かりやすくなります。

開業後、この数字を管理するのはオーナー自身です

本部が示すPLはあくまでモデルケースです。実際に原価率や人件費率が計画どおりに収まっているかを毎月確認し、ズレの原因を潰していくのは加盟店側の仕事になります。開業前の事業計画づくりから決算まで相談できる税理士を見つけておくと、数字の異変に早く気づけます。

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消費税の論点

開業当初は免税事業者になる場合がありますが、インボイス制度への登録を求められるかどうかは取引先によります。

特に法人を顧客とする業態では、相手が仕入税額控除を行うためにインボイス(適格請求書)を求めることがあります。

これらの業態では、登録しないと取引に影響が出る可能性があります。本部に「既存加盟店はどうしているか」を確認してください。

逆に一般消費者が顧客の業態(美容サロン、飲食、ペットシッターなど)では、事情が異なります。どちらに当たるかで判断が変わるため、自分の業態で考える必要があります。

税理士に頼むべきタイミング

開業前に1回は相談する

多くの人は決算が近づいてから税理士を探しますが、FCでは開業前の相談に価値があります。理由は3つ。

  1. 個人か法人かの判断——所得水準・家族構成・社会保険で結論が変わる。一般論では決められない
  2. 加盟金の税務上の扱い——初年度の納税額に直結する
  3. 決算月の決定——繁忙期と重ねない。消費税の扱いにも関わる

これらは契約してしまった後では変えられない項目です。

開業後は「数字のズレ」を見てもらう

FCの収益は、原価率と人件費率がモデル通りに収まるかで決まります。

  • かきのおきて:原価率37%が前提。生牡蠣の卸値が動けば直撃する
  • STREET CHURROS:人件費が原価より大きい(売上比32.9%)
  • ポポラマーマ:営業利益率10.5%。固定費が数%ぶれるだけで大きく変わる

毎月の数字を見て、ズレの原因を特定できる相手がいるかどうかが、2年目以降の収益を分けます。本部のSVは売上を見ますが、税務と資金繰りまでは見ません。

融資を使うなら事業計画の段階から

現論会は日本政策金融公庫からの融資通過率が9割超としており、本部が創業計画書・月次収支計画書の作成を支援します。本部の支援に加えて税理士の目が入ると、計画の精度が上がります。

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まとめ

  • 本部のモデル収支には税金とオーナー自身の人件費が入っていないことが多い
  • 加盟金は一括で経費にならない場合がある。保証金は原則経費にならない
  • 法人を顧客とする業態ではインボイス登録の要否を確認
  • 税理士は開業前に1回。個人/法人、加盟金の扱い、決算月は後から変えられない

加盟金に数百万円を払うなら、その前に数万円の相談料を使うほうが、結果的に手元に残る金額は大きくなります。

※本記事は一般的な整理であり、個別の税務判断を示すものではありません(2026年10月時点)。加盟金の処理、消費税・インボイスの取扱い、個人/法人の有利不利は、契約内容や個別事情により異なります。必ず税理士にご確認ください。

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