「売上保証あり」と書かれたフランチャイズは珍しくありません。しかし110ブランドを調べたところ、本当に本部がリスクを負う制度を持つのは3ブランドだけでした。
多くは「保証」という言葉を使っていても、実態は案件紹介の努力目標です。この記事では、本物の保証制度と紛らわしい表現の見分け方を整理します。
どのフランチャイズが自分に合うか、7つの質問で絞り込めます
掲載中の85ブランドから、予算・働き方・性格の条件に合うものを並べます。合わないものは合わないと書きます。入力は不要、所要1分です。
本部がリスクを負う制度を持つ3ブランド
| ブランド | 制度の内容 | 本部が負うリスク |
|---|---|---|
| カバーオール | 売上保証制度。加盟時に希望の月売上を選ぶと、その売上になるよう本部が仕事を紹介 | 仕事を供給する義務 |
| Qulias | 赤字店舗の買取制度。本部合意物件で1年間赤字が続いた場合、店舗を買い取る | 投資の出口を保証 |
| ジェリーズポップコーン | 全店黒字の実績公表(全国260店舗/2022年5月〜2026年5月) | ※保証ではなく実績 |
法人で加盟するなら
FC本部の多くは法人での加盟を条件にしています。会社設立には登録免許税などの実費がかかりますが、サービスの利用で実費負担を抑えられる選択肢もあります。
それぞれの制度を分解する
カバーオール|売上保証の対価は顧客開発費
この制度は無料ではありません。通常プランでは月間の売上保証額10万円ごとに66万円の顧客開発費がかかります。
| 希望する月売上保証 | 顧客開発費 |
|---|---|
| 月20万円 | 132万円 |
| 月30万円 | 198万円 |
| 月50万円 | 330万円 |
関西で月50万円の保証を希望すると、加盟料等407万円+顧客開発費330万円=737万円が初期費用になります。ロイヤリティも17.3〜29.3%と高水準です。
保証は「買うもの」だと理解してください。タダで付いてくるわけではありません。
Qulias|買取制度は条件の確認が全て
本部は「事業の将来性とノウハウに自信があるから」として、1年赤字なら店舗を買い取るとしています。FCでここまで踏み込む本部は多くありません。
ただし効果は条件次第です。確認すべきは4点。
- 「本部合意物件」の定義——どういう手続きを踏めば合意物件になるのか
- 「赤字」の定義——営業利益ベースか、オーナー報酬を引いた後か
- 買取価格の算定方法——投資額全額か、簿価か
- 対象外となる条件——運営上の義務違反があった場合など
買取価格の算定方法次第で、実質的な補償額は大きく変わります。口頭ではなく契約書の条文で確認してください。
ジェリーズポップコーン|「全店黒字」は保証ではない
260店舗が4年間すべて黒字という実績は立派ですが、これは実績であって保証ではありません。自分の店が赤字になっても本部は何もしません。
また確認したいのは「黒字」の定義です。1日10時間の立ち仕事を自分で行う業態なので、オーナー自身の労働報酬を引く前なのか後なのかで意味が変わります。
開業後、この数字を管理するのはオーナー自身です
本部が示すPLはあくまでモデルケースです。実際に原価率や人件費率が計画どおりに収まっているかを毎月確認し、ズレの原因を潰していくのは加盟店側の仕事になります。開業前の事業計画づくりから決算まで相談できる税理士を見つけておくと、数字の異変に早く気づけます。
紛らわしい表現の見分け方
「保証」に見えて保証でない表現が多数あります。実例で示します。
| 表現 | 実態 |
|---|---|
| 「月間紹介件数5件/7件/10件」 | リフォーム職人はプラン別に件数を明示する一方、サポート欄には「案件斡旋(保証なし)」と明記 |
| 「本部が集客するので営業不要」 | 努力目標。件数の下限が契約書にあるかは別問題 |
| 「開業3カ月で単月黒字化も可能」 | 「可能」は保証ではない。達成しなかった場合の措置は無い |
| 「全店黒字」「継続率96.5%」 | 過去の実績。将来の約束ではない |
判定はこの一問で足りる
「達成できなかったとき、本部は何をしてくれますか?」
この質問に具体的な措置(金銭の補填、買取、追加の案件供給)が返ってくれば本物です。「全力でサポートします」「一緒に改善します」という答えなら、それは保証ではありません。
そして返ってきた答えが契約書に書いてあるかを確認してください。説明会での口頭説明は契約内容ではありません。
保証制度があるFCを選ぶときの注意
① 保証の分だけ条件は不利になる
本部がリスクを負えば、その分どこかで回収します。カバーオールの顧客開発費と高いロイヤリティがまさにそれです。保証なしで条件の良いFCと、保証ありで条件の重いFC——どちらが自分に合うかは、営業力と資金余力で決まります。
② 自力でやれる人には割高
自分で顧客を取れる人にとって、売上保証は「使わない保険」です。年間数十万〜数百万円を払い続けることになるので、保証が本当に必要かを冷静に判断してください。
③ 保証の発動実績を聞く
制度があっても、実際に発動したことがなければ運用は未知数です。「これまで何件、保証が適用されましたか」と聞いてみてください。答えられる本部は信頼できます。
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失敗しないフランチャイズ本部の選び方
契約前に“数字”と“条項”で見抜く
この記事で挙げた「確認すべき点」を、どの本部にも使える形にまとめました。本文8,800字。
- 良い本部と危ない本部を見分ける判断基準(数字で確かめる方法つき)
- 契約書・開示書面で必ず質問すべき条項
- 収支シミュレーションの「盛られやすい場所」と、その見抜き方
- 説明会と既存オーナー訪問でそのまま使える質問テンプレート
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まとめ
110ブランド中、本部が実質的にリスクを負う制度を持つのは3件のみ。しかもそのうち2件は、保証の対価が費用に上乗せされています。
「保証あり」という言葉だけで安心しないこと。達成できなかったときに本部が何をするのかを契約書で確認し、その対価がいくらかを計算する。この2つができれば、保証制度の価値は正しく判断できます。
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