就労支援事業所の開業は儲かる?A型・B型の収支比較と開業支援330万円の中身

株式会社Total Medical Gymは、障がい者就労支援事業所の開業・運営を支援しています。初期コンサル費用330万円、ロイヤリティはなし。本部公開の収益モデルでは、開業1年後に月間営業利益230万円台という数字が出ています。

注目したいのはA型とB型で収支の構造がまったく違う点です。営業利益はほぼ同額なのに、必要な利用者数も支出率も異なります。この記事ではその違いと、制度ビジネスゆえの確認事項を整理します。

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目次

就労支援事業とは?市場と制度の背景

障がいのある方の社会参加と、企業の人材不足解消を同時に進める国の施策です。事業所は国からの給付金を収入源としながら、利用者に仕事の機会を提供します。

市場の規模と方向性は明確です。

  • 医療・福祉の国内市場規模(2023年度):20兆5,539億円。今後25兆円とも言われる
  • 国内の障がい者数(2023年度):計1,160万人で増加傾向
  • 障がい者雇用促進法の改正により、2026年7月から法定雇用率が2.7%に。対象事業主の範囲も従業員37.5人以上へ拡大

法定雇用率の引き上げは、企業側の障がい者雇用ニーズを押し上げます。就労支援事業所にとっては追い風となる制度変更です。

本部の支援内容

高齢福祉事業と障がい福祉事業を熟知した本部が、開業・運営ノウハウを提供します。本部は「開所3カ月で単月黒字化も可能」としています。飲食・各種製造・サービス業を営む法人が、検品や発送代行などの軽作業を就労支援事業と組み合わせる形も想定されています。

こんな方におすすめ

  • 社会貢献性の高い事業を新たな柱にしたい法人
  • 自社の軽作業・事務業務を就労支援と組み合わせたい事業者
  • 自己資金500万円を用意できる方
  • 人材の採用とマネジメントができる方

費用一覧

項目 金額
初期コンサル費用 330万円(税込)
研修費 0円
※研修受講に伴う旅費・宿泊費は実費
ロイヤリティ なし
現地訪問フォロー(月1回・1日) 交通費・宿泊費の実費のみ
現地訪問フォロー(2回目以降/月)※任意 3万3,000円〜/日+交通宿泊費実費
人材育成研修(社内研修)※任意 33万円
契約期間 1年
最低自己資金の目安 500万円(融資利用の場合)

この費用を法人で用意するなら

FC本部の多くは法人での加盟を条件にしています。会社設立には登録免許税などの実費がかかりますが、サービスの利用で実費負担を抑えられる選択肢もあります。

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ロイヤリティがないのは大きな特徴です。制度ビジネスは報酬単価が決まっているため、売上歩合を取られないぶん手元に残ります。

一方で継続サポートの一部は有料です。月1回の現地訪問は交通費実費のみですが、2回目以降は1日3万3,000円〜かかります。立ち上げ期に手厚く見てもらいたい場合、ここが実質的なランニングコストになります。

また物件取得費・内装費・開所までの人件費は上記に含まれません。自己資金500万円という目安は、そこまで含めた数字と理解してください。

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収益モデル|A型とB型の違いが重要

本部が公開している開業1年後のモデルです。

項目 A型 B型
利用者数 施設内20名/施設外7名(計27名) 施設内27名/施設外7名(計34名)
総収入(月) 662万6,000円 506万1,000円
総支出(月) 424万4,000円 275万円
月間営業利益 238万2,000円 231万1,000円
支出率 64.1% 54.3%
営業利益率 35.9% 45.7%

利益はほぼ同じ、中身はまったく違う

月間営業利益はA型238万円、B型231万円でほぼ並びます。しかし構造は対照的です。

A型は収入が大きい(662万円)代わりに支出も大きい(424万円)。就労継続支援A型は利用者と雇用契約を結び、最低賃金以上の賃金を支払う義務があるため、人件費が支出を押し上げます。

B型は収入が小さい(506万円)代わりに支出が抑えられ(275万円)、利益率は45.7%と高くなります。ただし同じ利益を出すのに利用者が34名必要で、A型の27名より7名多く集めなければなりません。

つまり選択はこうなります。

  • A型:集める利用者は少なくて済むが、賃金支払いの責任が重い
  • B型:利益率は高いが、より多くの利用者を集める必要がある

自分の商圏で何名の利用者が見込めるか、賃金を払い続けられる業務を確保できるか。この2点でA型・B型を選ぶのが現実的な判断です。

加盟店の実例|年間所得2,000万〜3,000万円

エリア 開業時期 自己資金 年間所得額 体制
京都府(40代・男性) 2017年5月 600万円 3,000万円 開業8年目/2店舗/従業員22名
愛知県(40代・男性) 2021年3月 500万円 2,000万円 開業4年目/1店舗/従業員12名

オーナーレポートでは、ワークスタジオ伏見・亀岡が年間総収入2億9,000万円(利用者約70名)、ワークスタジオ藤が丘が年間総収入2億7,000万円(利用者70名)と公表されています。

ここで言葉の区別が必要です。「年間総収入2億9,000万円」は売上であり、利益ではありません。同じ事業者の「年間所得額」は3,000万円と記載されているので、売上に対する所得の割合はおよそ10%と読めます。数字の大きさに引っ張られないよう注意してください。

一方、公開モデル(月間営業利益238万円=年2,856万円)と加盟店実績(年間所得2,000万〜3,000万円)は近い水準にあり、モデルと実績の整合性は取れています。

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この開業支援の3つの強み

① ロイヤリティがない

初期コンサル費用330万円の一度きりで、売上歩合の支払いが発生しません。制度ビジネスは報酬単価が決まっているため、継続コストの有無が利益を大きく左右します。年2,856万円の営業利益に対してロイヤリティ0は、収益性の面で明確な利点です。

② 4フェーズに分かれた研修体系

研修が段階的に設計されています。

  • 第1フェーズ(理解深耕):初期研修(管理者研修)、障がい福祉事業概要論、A型・就労移行の制度、行政対応法、営業戦略、現場体験
  • 第2フェーズ(現場理解):直営店研修、サービス管理責任者OJT、管理者OJT、相談員OJT
  • 第3フェーズ(開所後):現地研修、ソフト導入・レセプト入力研修、運営フォロー
  • 第4フェーズ(運営開始後):定期フォロー、監査指導対策、経営相談

役職ごとにOJTが分かれている点と、行政の監査対策まで含まれている点が実務的です。

③ 法定雇用率引き上げという追い風

2026年7月から法定雇用率が2.7%となり、対象となる事業主も従業員37.5人以上へ拡大します。企業側の障がい者雇用ニーズが制度的に増える局面であり、本部は「狙える先行者利益」としています。

開業までの流れ

  1. 資料ダウンロード(事業の特長・収益モデル・開業資金)
  2. 説明会(事業所の見学も可能)
  3. 契約の締結
  4. 研修(契約締結から開業まで3〜6カ月程度。物件次第で変動)
  5. 開所(開所後も継続サポート)

向いている人・向いていない人

向いている 向いていない
自己資金500万円+物件費を用意できる 200万円以下で始めたい
12名以上の職員を採用・管理できる 1人で完結させたい
自社の業務を作業として提供できる 利用者の仕事を確保する当てがない
3〜6カ月の準備期間を取れる すぐに売上を立てたい
制度変更に対応していける 報酬改定リスクを取りたくない

開業前に必ず確認すべき3つの点

① 利用者をどう集めるか

この事業の収入は利用者数で決まります。モデルはA型27名、B型34名が前提です。公開情報には研修と運営支援の記載は厚い一方、利用者募集の支援についての具体的な記載が多くありません。

相談支援事業所や行政、医療機関との関係づくりをどう進めるのか、本部から何を提供してもらえるのかを、具体的な手段と実績件数で確認してください。これが最も重要な確認事項です。

② 継続サポートの実質コスト

月1回の現地訪問は交通費実費のみですが、2回目以降は1日3万3,000円〜です。立ち上げ期に月2〜3回来てもらうなら、年間で数十万円単位のコストになります。どの程度の頻度が標準なのかを既存事業所の例で聞いておくと、計画が正確になります。

③ 報酬改定への対応

就労支援は国の報酬基準に基づく事業です。報酬改定があれば収入の前提が変わります。公開モデルが直近の改定を反映しているか、改定時に本部がどう支援するかを確認してください。契約期間が1年なので、改定後も支援を受けられる条件かどうかも合わせて見ておくべきです。

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よくある質問

福祉の経験は必要ですか?

本部は「法人、個人、年齢、経験、性別、学歴一切不問」としています。4フェーズの研修体系が用意されていますが、事業所運営には有資格者(サービス管理責任者等)の配置が制度上必要なため、採用計画は必須です。

A型とB型のどちらがいいですか?

公開モデルでは営業利益がほぼ同額です。A型は利用者27名で済むが賃金支払い義務があり、B型は34名必要だが利益率が高い。自分の商圏で集められる利用者数と、提供できる業務内容で判断してください。

ロイヤリティは本当にかかりませんか?

本部はロイヤリティ「なし」と明記しています。ただし2回目以降の現地訪問フォローや人材育成研修は任意の有料オプションです。

開業までどのくらいかかりますか?

契約締結から3〜6カ月程度が目安で、物件の状況によって変動します。

既に運営している事業所でも相談できますか?

本部は「既に運営されている方は開設ではなく運営サポートの相談にも乗る」としています。

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まとめ

就労支援事業は、法定雇用率の引き上げという制度的な追い風があり、本部公開のモデルでも月間営業利益230万円台と収益性の高い領域です。ロイヤリティがなく、初期コンサル費用330万円の一度きりという費用構造も、長期で見れば有利に働きます。

判断の核心は利用者の確保です。A型なら27名、B型なら34名という人数を自分の商圏で集められるか。ここが成り立つなら、研修体系と監査対策まで含めた支援は手厚い部類です。説明会では事業所見学もできるので、実際の利用者数と集客の実態を現場で確認してから決めるのが確実です。

※本記事の費用・収益モデル・加盟店実績は、株式会社Total Medical Gymがアントレに開示している情報(2026年10月時点)に基づきます。支出率・営業利益率などの試算は公開数値をもとに本サイトが計算したものです。市場規模・障がい者数・法定雇用率は本部が引用する厚生労働省の調査によります。最新の条件は必ず資料請求・説明会でご確認ください。出典:アントレ 就労支援開業支援/株式会社Total Medical Gym

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本部が示すPLはあくまでモデルケースです。実際に原価率や人件費率が計画どおりに収まっているかを毎月確認し、ズレの原因を潰していくのは加盟店側の仕事になります。開業前の事業計画づくりから決算まで相談できる税理士を見つけておくと、数字の異変に早く気づけます。

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