新潟油そば柿川亭はスープを作らない油そば専門店のFCです。初期費用780万円、ロイヤリティは席数×4,000円+売上3%。公開PLを検算すると人件費が全パターン固定で、増えた粗利の95%が利益になる高レバレッジ構造でした。18席という前提も逆算で判明しています。
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
- 加盟金
- 100万円(税抜)
- 初期費用
- 780万円
- ロイヤリティ
- 席数×4,000円+売上3%
- 損益分岐の目安
- 初月から黒字
- 店舗数
- 3店舗(直営1・FC2)
スープを作らない油そば専門店
本部の公式サイト・公開資料の数字をもとに掲載しています。詳しい前提は本文をご確認ください。
新潟油そば 柿川亭とは
新潟油そば 柿川亭は株式会社バウ(代表:岡雅俊氏)が展開する油そば専門店のフランチャイズです。「東京発祥の油そばを新潟から全国へ」を掲げています。
最大の特徴はスープを作らないこと。本部は「スープを作る必要がないのでオペレーションが容易な『油そばのお店』」と説明しています。新潟県産の食材を使用して差別化し、「簡易オペレーションの中でも高利益率を実現」としています。
店舗数は3店舗(直営1・FC2)、ほかにFC出店予定が4店舗。募集段階は1次です。
推奨エリアは大学や高校などの学校近隣で、駅から徒歩10分圏内。客層も学生とファミリー層が中心です。
初期費用の内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 内外装費 | 300万円(実費) |
| 備品 | 120万円 |
| 加盟金 | 100万円(税抜) |
| 研修費 | 100万円(税抜) |
| 物件取得費 | 100万円(実費) |
| 消耗品費 | 30万円 |
| 採用費 | 20万円 |
| 初期広告費 | 10万円 |
| 初期費用合計 | 780万円 |
この費用を法人で用意するなら
FC本部の多くは法人での加盟を条件にしています。会社設立には登録免許税などの実費がかかりますが、サービスの利用で実費負担を抑えられる選択肢もあります。
内訳の合計は780万円で表記どおり整合しています。
ただし2点、金額が動く要素があります。
① 内外装費300万円・物件取得費100万円は「実費」——合計400万円、初期費用の半分以上が実費表記です。本部自身も注意点として「地域によって内外装工事金額や工数に差がある」と明記しており、780万円は固定額ではありません。
② 加盟金・研修費は税抜——合計200万円が税抜表記なので、消費税20万円が別途かかります。
資金計画を立てる際は、780万円+消費税+内外装の地域差を見込んでおくべきです。
収益モデル
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 月間売上 | 165万円 |
| ロイヤリティ | 席数×4,000円+売上の3% |
| 営業利益 | 39万円 |
| 黒字までの期間 | 初月 |
| 初期費用回収期間 | 1〜1年半 |
| 店舗数 | 3店舗(直営1・FC2)+出店予定4店舗 |
ロイヤリティは席数連動の固定部分+売上連動部分というハイブリッド型です。この形式は本サイトで扱っているFCの中でも珍しい設計です。
月間PL(本部公開・3パターン)
| 項目 | 良くないお店 | 平均的なお店 | 繁盛しているお店 |
|---|---|---|---|
| 客数 | 1,250 | 1,750 | 2,250 |
| 客単価 | 950円 | 950円 | 950円 |
| 売上 | 1,200,000円 | 1,600,000円 | 2,100,000円 |
| 原価 | 420,000円 | 560,000円 | 735,000円 |
| 粗利益 | 780,000円 | 1,040,000円 | 1,365,000円 |
| 人件費 | 300,000円 | 300,000円 | 300,000円 |
| ロイヤリティ | 108,000円 | 120,000円 | 135,000円 |
| 家賃 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
| 水光熱費 | 60,000円 | 60,000円 | 60,000円 |
| その他 | 50,000円 | 50,000円 | 50,000円 |
| 消耗品費 | 20,000円 | 20,000円 | 20,000円 |
| 経費計 | 638,000円 | 650,000円 | 665,000円 |
| 加盟店オーナー利益 | 142,000円 | 390,000円 | 700,000円 |
※本部注記:「あくまで記載の数値は実績値であり、結果を保証するものではございません」。
検算結果:原価率・経費計・営業利益はすべて一致
原価率は3パターンとも正確に35%。粗利益、経費計、営業利益もすべて1円の誤差なく一致しました。
ロイヤリティの逆算:18席の店舗が前提です
ロイヤリティの計算式(席数×4,000円+売上の3%)から席数を逆算すると、3パターンすべてで18席という答えが出ます。
| 良くないお店 | 平均的なお店 | 繁盛しているお店 | |
|---|---|---|---|
| 売上×3% | 36,000円 | 48,000円 | 63,000円 |
| ロイヤリティ−3%部分 | 72,000円 | 72,000円 | 72,000円 |
| ÷4,000円=席数 | 18席 | 18席 | 18席 |
計算式と完全に整合しています。つまりこのPLは18席の店舗を想定したモデルです。
ここは加盟検討時に重要な意味を持ちます。席数が増えればロイヤリティの固定部分も増えるからです。30席なら固定部分は120,000円となり、18席より月48,000円、年間576,000円多く払うことになります。
逆に席数を絞れば固定ロイヤリティは下がりますが、回転数の上限も下がります。何席の物件を取るかが、そのまま収益構造の設計になります。
このPLの最大の特徴:人件費が売上に連動しない
このPLで最も注目すべきは、人件費300,000円が3パターンとも同額という点です。家賃・水光熱費・消耗品費・その他も全て固定。売上の増減で動くのはロイヤリティだけです。
結果、何が起きるか。
| 良くない→繁盛 | |
|---|---|
| 売上の増加 | +900,000円 |
| 粗利益の増加 | +585,000円 |
| 経費の増加 | +27,000円のみ |
| 利益の増加 | +558,000円 |
増えた粗利益の95%がそのまま利益になります。これが「スープを作らない」オペレーションの経済的な意味です。仕込みが不要なので、客数が増えてもスタッフを増やさずに回せる。営業レバレッジが極端に高い構造です。
本部が「人件費や原価率が低く、一般的なラーメン店よりも営業利益が高い」と説明しているのは、この点を指しています。
ただし裏返せば、この人件費300,000円で本当に月2,250人(1日75人)をさばけるのかが前提条件になります。ここが崩れるとPLの前提も崩れるため、繁盛店の実際のシフト体制は確認しておくべきです。
客数×客単価と売上に小さな差があります
客数×客単価を計算すると、表記の売上と若干ずれます。
| 客数×950円 | 表記の売上 | 差 | |
|---|---|---|---|
| 良くないお店 | 1,187,500円 | 1,200,000円 | +12,500円 |
| 平均的なお店 | 1,662,500円 | 1,600,000円 | -62,500円 |
| 繁盛しているお店 | 2,137,500円 | 2,100,000円 | -37,500円 |
差は最大でも4%弱で、売上をキリのよい数字に丸めた結果と考えられます。原価率・経費・利益の計算はすべて表記の売上ベースで正確に一致しているため、PL全体の信頼性を損なうものではありません。実際の客数目安は売上÷950円(1,263人/1,684人/2,211人)で見ておけば十分です。
回収期間の確認事項
初期費用780万円に対し、PL平均の利益は390,000円。780万円÷39万円=20ヶ月(1年8ヶ月)となり、サマリーの「1〜1年半」にはわずかに届きません。
繁盛店の700,000円なら11.1ヶ月で回収できるため、「1年〜」は繁盛店ベース、「1年半」は平均をやや上回る水準と読めます。どのラインでの1年半なのかは確認しておくべきです。
なお「黒字までの期間=初月」はPLと整合しています(良くないお店でも+142,000円)。
柿川亭の3つの特徴
① アルバイトだけでも運営できるオペレーション
本部は「タレやチャーシュー、麺などは本部が配達するため作業工程が少ないです。また、一般的なラーメン屋さんと違ってスープを作る必要がなく複雑な調理がないためアルバイトでも運営ができます」としています。
ラーメン店の最大の参入障壁は「スープの仕込み」です。それを業態ごと外したのが油そばであり、未経験者がラーメン業界に入る現実的な入口になっています。
② 人件費・原価率が低く、営業利益が高い
「スープを作る必要がないため、人件費や食材費、水道光熱費を圧倒的に抑えることが可能です」。
PLの水光熱費が月60,000円に収まっているのは、スープを炊き続ける必要がないからです。ガス代が大幅に削られます。
③ 高回転率で売上が高い
「一般的なラーメン店より作りやすく食べやすいため、回転率が上がり一席あたりの売り上げが高くなります」。
18席で月2,250人(1日75人)をさばく繁盛店モデルは、1席あたり1日4.2回転の計算です。提供スピードと食事時間の短さが前提になります。学校近隣を推奨エリアとしているのも、短時間で食べる学生需要と噛み合うためです。
加盟前に確認すべき3つの注意点(本部公表)
① 「油そば」という名前に抵抗がある人がいる
本部は「一般的なラーメンのイメージが強く油そばという名前に抵抗がある人がいる。特に地方での開店の場合は周知に力を入れる必要があります」と明記しています。
これは正直な開示です。油そばは首都圏では定着していますが、地方では「スープがないラーメン?」という認知の壁があります。PLには広告宣伝費が計上されていないため、認知獲得にかかるコストは「その他50,000円」の中か、別途発生すると考えておくべきです。
② 食品衛生責任者の資格が必要
「店舗に1名有資格者(食品衛生責任者)を配置する必要があります。資格取得のサポートは本部がいたします」。講習受講で取得できる資格であり、本部サポートもあるため大きなハードルではありません。
③ 地域によって内外装工事金額や工数に差がある
「地域によって保健所の審査項目が異なったり内外装業者の相場が異なったりするので、業者の見積もりを複数行うことがおすすめです」。
これは初期費用780万円に直結する最も重要な注意点です。内外装費300万円は実費表記なので、都市部や工事費が高い地域ではこの金額を超える可能性があります。本部自身が「複数見積もりを」と勧めている点は誠実ですが、裏を返せば780万円で収まる保証はないということです。
フランチャイズ図鑑の有料note
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
契約前に“数字”と“条項”で見抜く
この記事で挙げた「確認すべき点」を、どの本部にも使える形にまとめました。本文8,800字。
- 良い本部と危ない本部を見分ける判断基準(数字で確かめる方法つき)
- 契約書・開示書面で必ず質問すべき条項
- 収支シミュレーションの「盛られやすい場所」と、その見抜き方
- 説明会と既存オーナー訪問でそのまま使える質問テンプレート
- 購入者特典:チェックリストPDF/収支シミュレーション添削シート/質問テンプレート
売上が好調な店舗・伸び代がある店舗の特徴
好調な店舗:丁寧な接客でお客様と良好な関係を築ける
本部の説明は、注意点①と完全につながっています。
「ラーメンと違って油そばは認知が低いため、食べたことがない方に抵抗なく来店いただけるかが重要です。そこでお客様による口コミが新規顧客を呼びます。お客様が他のお客様に紹介したくなるお店であるために、丁寧な接客が大切です」。
広告費をかけずに認知を広げる手段が既存客の口コミであり、そのための接客だという論理です。PLに広告宣伝費がない構造とも整合しています。
伸び代がある店舗:日々の営業をこなすだけ
「毎日の営業をただこなすだけではなく、営業の中で改善点を見出し、オペレーションや接客方法を常により良いものにしようとする姿勢が居心地の良い店舗を形成していき、リピート客を獲得していくことに繋がります」。
オペレーションが簡単だからこそ「回すだけ」になりやすい。簡単さは強みであると同時に、改善意欲が止まるリスクでもある——という本部の指摘です。
客層
- 学生
- ファミリー層
客単価950円という価格帯と、推奨エリア(大学・高校の近隣)がそのまま客層に表れています。学生需要は安定する一方、長期休暇期間の売上変動は考慮しておくべきでしょう。
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まとめ
- 運営は株式会社バウ。スープを作らない油そば専門店FC。3店舗(直営1・FC2)+出店予定4店舗
- 初期費用780万円。ただし内外装費300万円・物件取得費100万円は実費、加盟金・研修費200万円は税抜
- ロイヤリティは席数×4,000円+売上の3%。PLから逆算すると18席が前提
- 公開PLは原価率35%・経費計・営業利益すべて検算一致。ロイヤリティも計算式と完全整合
- 人件費300,000円が全パターン固定。増えた粗利益の95%が利益になる高レバレッジ構造
- 良くない店でも+142,000円の黒字。平均390,000円、繁盛店700,000円
- 本部公表の注意点は油そばの認知の壁・食品衛生責任者・内外装費の地域差
収益構造としては非常に優秀なFCです。「スープを作らない」という一点が、人件費・水光熱費・仕込み時間のすべてを削り、売上が伸びるほど利益率が跳ね上がる構造を作っています。良くないお店でも黒字という点も、下振れ耐性の高さを示しています。
懸念は初期費用の振れ幅です。780万円のうち400万円が実費表記で、本部自身が地域差を認めています。物件を決める前に内外装の見積もりを複数取る——本部の助言どおりに動くことが、このFCでは特に重要です。あわせて、18席という前提と自分が検討する物件の席数のズレも計算し直してください。
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