合同会社の設立費用は実際いくら?資本金10万円で作った全記録と手順

合同会社の設立費用は実際いくら

合同会社の設立費用は、電子定款を使えば約7万円から収まります。紙の定款だと収入印紙代4万円が上乗せされるため、ここが最初の分かれ道です。この記事では資本金10万円で実際に合同会社を設立した記録をもとに、決めるべき8項目、最大の落とし穴である「払込の順序」、ネット銀行しか持っていない場合の対処、押印の使い分けまで、実務の順番どおりに解説します。

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

「合同会社は安く作れる」とよく言われますが、具体的にいくらか、何が必要かを正確に説明した記事は意外とありません。

この記事では、実際に資本金10万円で合同会社を設立した記録を、費用・手順・つまずいた点まで含めて公開します。

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目次

結論:電子定款なら約7万円から作れます

項目 金額
登録免許税 60,000円(最低額)
定款印紙代 紙なら40,000円/電子定款なら0円
電子定款代行(使う場合) 5,000円前後
印鑑証明書 300〜450円
会社実印 5,000〜20,000円
合計 約7万円〜

株式会社との最大の違いは、合同会社は公証役場での定款認証が不要なことです。ここだけで5万円浮きます。

資本金についての重要な事実

登録免許税は、資本金857万円までずっと60,000円で変わりません(資本金×0.7%と最低額6万円の高いほう)。

つまり資本金を1円にしても100万円にしても、設立コストは同じです。これは後で重要になります。

決めるべき8項目

# 項目 注意点
1 商号(会社名) 「合同会社」を前か後ろに必ず入れる
2 本店所在地 定款には「東京都〇〇区」までの記載でOK
3 事業目的 将来やる可能性があるものも先に入れる
4 資本金 1円から可。ただし後述の注意あり
5 社員(出資者)と出資額 合同会社では出資者を「社員」と呼ぶ
6 代表社員 後から変えるには変更登記1万円
7 事業年度 設立月の前月末を決算月にすると初年度が最長
8 公告方法 「官報に掲載する方法」が一般的

商号のルール

  • 使える文字:漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビア数字
  • 使える記号:アンパサンド、アポストロフィ、カンマ、ハイフン、ピリオド、中点のみ(先頭と末尾は不可、末尾のピリオドは例外)
  • 登記が制限されるのは「同一住所+同一商号」のときだけ

同じ名前の会社が別の住所にあっても、登記自体は通ります。ただし有名企業と紛らわしい名前は避けましょう。国税庁の法人番号公表サイトで事前に確認できます。

事業目的の落とし穴

許認可が必要な業種を入れると、法人口座の審査で警戒されます。

実際、今回の設立では当初以下を入れていましたが、すべて削除しました。

削除した目的 理由
探偵業法に基づく調査業務 公安委員会への届出が必須
不動産の賃貸・管理・運用 他人の物件を扱うなら宅建業免許が必要
宿泊施設の運営・管理 旅館業法の許可または民泊届出が必要

すぐ着手しない事業は外しておき、必要になった時点で目的追加の変更登記(1万円)をするという判断です。

ただし逆に、「やるが許認可のいらない事業」は多めに入れておいて損はありません。

資本金を安くしすぎるリスク

ここが一番悩んだ点です。当初は資本金5万円で進めるつもりでしたが、以下の理由で10万円に引き上げました。

  1. 登録免許税6万円すら資本金で賄えないのは決算書上も不自然
  2. 資本金が著しく少ないと法人口座の審査でマイナスに働く
  3. 857万円までは登録免許税が変わらないため、増やすコストがゼロ

銀行側から見ると、「資本金が少ない+バーチャルオフィス+許認可可業種」は最も警戒される組み合わせです。

資金に余裕があるなら、最低でも30万〜100万円程度にしておくと後の手続きが楽になります。

代表社員は慎重に

法人カード・融資・リースの審査では、設立間もない法人ほど代表者個人の信用情報が見られます。決算書がないため、他に判断材料がないからです。

合同会社は代表社員を複数置くこともできます。信用情報に不安がある場合は、ここで設計しておく価値があります。

事業年度の決め方

今回は9月1日〜8月31日にしました。設立が9月末なので、8月末決算にすれば初年度が最長(約11ヶ月)取れるからです。

3月決算などにすると初年度が半年で終わり、決算・申告の手間1回分が早く来ます。

設立の流れ

① 8項目を決める
     ↓
② 商号調査(同一住所・同一商号の確認)
     ↓
③ 本店住所を確定 ←バーチャルオフィスならここで契約
     ↓
④ 会社実印を発注 ←商号が決まればすぐ動ける
     ↓
⑤ 定款を作成し、作成日を入れて押印
     ↓
⑥ ★定款の作成日「以降」に資本金を払込
     ↓
⑦ 入金を証明する書類を作る
     ↓
⑧ 登記書類一式を揃えて法務局へ提出
     ↓
   ★この受付日が会社の設立日

ボトルネックは「印鑑」と「住所」

この2つが決まらないと、他がどんなに準備できていても一歩も進みません。

バーチャルオフィスを使う場合は「定款を作る前」に契約してください。定款にも登記申請書にも本店所在地を書くからです。

そして審査があります。即日のところもあれば数営業日かかるところもあるので、設立日を決めているなら逆算して動いてください。

最大の落とし穴:払込の「順序」

資本金の入金は、必ず「定款の作成日以降」でなければなりません。

定款の作成日 ≦ 資本金の入金日 ≦ 登記申請日

逆になると払込として認められず、登記が通りません。やり直しになるので、ここだけは絶対に間違えないでください。

また、もともと口座にある残高をそのまま使うのはNGです。「入金した事実」が明細に残らないといけません。

ネット銀行しか持っていない場合

通帳がなくても問題ありません。ネットバンキングの画面を印刷したもので代替できます。

必要な情報は3つ。

  1. 銀行名・支店名・口座番号・口座名義
  2. 入金日・入金額
  3. 上記2つが同一口座だと分かること

多くのネット銀行では明細画面の上部に口座番号と名義が出るので、1枚で済むこともあります。

振込人名義の問題

本来は他行から自分の口座へ振込するのが最も安全です。振込人名が明細に残るからです。

ただし楽天銀行は個人は原則1名義1口座のため、自分あての振込ができません。目的別口座への移動も「振替」扱いになり、振込人名義が残らないので使えません。

銀行を一つしか持っていない場合の選択肢は2つです。

方法 備考
ネット銀行をもう1つ開設して他行振込 最短当日〜翌営業日で作れるところもある
ATMで現金を入金 明細には「入金」としか出ず振込人名が残らない

ATM入金を払込証明として認めるかは、管轄法務局の運用によります。入金する前に電話で1本確認しておくのが安全です。

法務局への電話で聞くべきこと3点

申請当日に「受理できません」となると設立日がずれます。入金する前にまとめて確認してください。

  1. 自分の本店所在地の管轄がその法務局で合っているか
  2. ATM入金(振込人名義なし)を払込証明として認めるか
  3. ネットバンキングの画面印刷を添付書面として認めるか

住所表記の落とし穴

代表社員の住所は、印鑑証明書の表記と1字1句そろえる必要があります。

ずれやすいのは以下。

  • 丁目が「二丁目」か「2丁目」か
  • 建物名・部屋番号が印鑑証明書に入っているか(住民票に登録していないと印字されません)
  • ハイフン表記と漢数字表記の違い

印鑑証明書に建物名が入っていなければ、定款も建物名なしに合わせます。ここがずれると補正になります。

押印の使い分け

意外と間違えやすいポイントです。

書類 押す印鑑
登記申請書 会社実印
決定書 個人実印
払込証明書 会社実印
印鑑届書 会社実印+個人実印の両方

電子定款に対応した会社設立サービス

記事内で触れたとおり、紙の定款だと印紙代4万円がかかります。電子定款に対応したサービスを使えばこの4万円が不要になり、設立費用を実質的に下げられます。

設立後の届出(期限が短い順)

登記が終わってからが本番です。

期限 提出先 書類
5日以内 年金事務所 健康保険・厚生年金保険 新規適用届
1ヶ月以内 税務署 給与支払事務所等の開設届出書
2ヶ月以内 税務署 法人設立届出書
3ヶ月以内または事業年度末の早い方 税務署 青色申告承認申請書
自治体による 都道府県税事務所・市区町村 法人設立届出書

青色申告承認申請書を出し忘れると、赤字の繰越ができなくなります。登記完了後すぐに出してください。

また登記事項証明書と印鑑証明書は5通ずつ取っておくと、この後の手続きで使い回せて効率的です。

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まとめ

  • 合同会社は電子定款なら約7万円から設立できる
  • 登録免許税は857万円まで6万円固定。資本金を増やすコストはゼロ
  • 許認可が必要な事業目的は法人口座審査で警戒される
  • ボトルネックは印鑑と住所。バーチャルオフィスは定款作成前に契約
  • 定款作成日 ≦ 入金日 ≦ 申請日の順序を絶対に守る
  • 代表社員の住所は印鑑証明書と1字1句一致させる

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