七代目松五郎のFC評判は?繁盛店より平均店の利益率が高いひとりしゃぶしゃぶ

七代目松五郎のFC評判は

七代目松五郎は熟成黒毛和牛をひとりひと鍋で提供するしゃぶしゃぶFCです。初期費用4,300万円のうち内外装費が3,000万円。公開PLを検算すると繁盛店の利益率24.4%が平均店の30.3%を下回る逆転が起きており、家賃が利益を決める構造が見えてきました。

※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。

基本情報七代目松五郎
加盟金
400万円
初期費用
4,300万円
ロイヤリティ
売上の5%
損益分岐の目安
2ヶ月目から黒字
店舗数
4店舗(直営2・FC2)

ひとりひと鍋の和牛しゃぶしゃぶ

本部の公式サイト・公開資料の数字をもとに掲載しています。詳しい前提は本文をご確認ください。

目次

ひとりしゃぶしゃぶ 七代目松五郎とは

七代目松五郎は株式会社しゃぶしゃぶ松五郎(木内旭洋氏)が展開するひとりひと鍋のしゃぶしゃぶ専門店のフランチャイズです。「日本伝統のしゃぶしゃぶを世界へ」を掲げています。

商品へのこだわりは具体的です。

「熟成黒毛和牛とオリジナル銘柄豚の『多香味豚』を定番商品とし、お客様も目の前でオーダー毎に肉をスライスして提供。自慢のポン酢は関西風の柑橘の強いポン酢を2年半かけて開発。3種類の柑橘をブレンドし、クセになる味わいを実現。ゴマだれは、コクと甘みのある濃厚なゴマだれ」

本部のコンセプトは「簡単なオペレーション×高回転率で、飲食未経験でも高利益を見込める」。店舗数は4店舗(直営2・FC2)、募集段階は1次です。

推奨エリアはオフィス街やホテルが多く立っている場所、インバウンドが見込める場所。

初期費用の内訳

項目 金額
内外装費 3,000万円(実費)
加盟金 400万円
備品費 100万円
研修費 50万円
消耗品費 50万円
採用費 35万円
物件取得費 実費(金額表記なし)
初期費用合計 4,300万円

この費用を法人で用意するなら

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金額が明記された6項目の合計は3,635万円。表記の4,300万円との差665万円が、物件取得費(実費)の想定額と考えられます。

4,300万円は本サイトで扱っているFCの中で最高額です(次点がリハプライドの3,000万円、大衆焼肉たきちの2,500万円)。

内外装費3,000万円が全体の70%を占めます

この金額には明確な理由があります。「ひとりひと鍋」という業態だからです。

通常のしゃぶしゃぶ店はテーブルに1つの鍋を置きますが、松五郎は全席に個別の鍋設備が必要です。つまり——

  • 席数と同じ数のIH/ガスコンロ
  • それに耐える電気容量またはガス容量
  • 全席分の排気・換気設備

さらに「お客様の目の前でオーダー毎に肉をスライスする」ため、カウンター周りの設備も必要になります。

そして内外装費も物件取得費も「実費」表記です。本サイトで繰り返し指摘してきたとおり、実費表記の項目は地域と物件の状態によって上下します。4,300万円は固定額ではないと理解しておくべきです。

収益モデル

項目 数値
月間売上 1,160万円
ロイヤリティ 売上の5%
営業利益 372万円
黒字までの期間 2ヶ月目から
初期費用回収期間 1年半〜2年
店舗数 4店舗(直営2・FC2)

月間PL(本部公開・2パターン)

項目 平均的な店舗 繁盛店
客数 3,600 4,100
客単価 3,200円 3,700円
売上 11,600,000円 15,300,000円
粗利益 8,120,000円(70.0%) 10,251,000円(67.0%)
人件費 2,320,000円(20.0%) 3,060,000円(20.0%)
家賃 1,050,000円 2,100,000円
ロイヤリティ 580,000円 765,000円
水道光熱費 300,000円 250,000円
消耗品費 200,000円 200,000円
広告宣伝費 100,000円 100,000円
その他 50,000円 50,000円
経費計 4,600,000円 6,525,000円
加盟店オーナー利益 3,520,000円 3,726,000円

※本部注記:「あくまで記載の数値は実績値であり、結果を保証するものではございません」。

検算結果:経費計・利益・ロイヤリティはすべて一致

検証 平均的な店舗 繁盛店
ロイヤリティ=売上×5% 580,000円 ✓ 765,000円 ✓
経費の合計=経費計 4,600,000円 ✓ 6,525,000円 ✓
粗利益−経費計=利益 3,520,000円 ✓ 3,726,000円 ✓
人件費率 20.0% 20.0%

人件費率が両方ともぴったり20.0%という点も、丁寧に作られた資料であることを示しています。客数×客単価と売上には8万〜13万円の丸め差がありますが、計算の根幹には影響しません。

このPL最大の発見:繁盛店のほうが利益率が低い

2つのパターンを並べると、通常のFC資料では見られない現象が起きています。

平均的な店舗 繁盛店 差
売上 11,600,000円 15,300,000円 +3,700,000円(+31.9%)
利益 3,520,000円 3,726,000円 +206,000円(+5.9%)
営業利益率 30.3% 24.4% -5.9ポイント

売上が32%増えているのに、利益は6%しか増えていません。利益率で見れば、平均的な店舗のほうが6ポイント高いという逆転が起きています。

原因は2つあります。

① 家賃が倍になっている

家賃 売上比
平均的な店舗 1,050,000円 9.1%
繁盛店 2,100,000円 13.7%

家賃がちょうど2倍(+105万円)。増えた売上370万円のうち、105万円が家賃に消えています。

推奨エリアが「オフィス街やホテルが多く立っている場所」「インバウンドが見込める場所」であることを考えると、繁盛店はより条件の良い=より高い立地にあると読めます。高い家賃を払って客数を取りにいった結果、利益率が下がった——という構図です。

② 原価率が3ポイント悪化している

粗利率 推定原価率
平均的な店舗 70.0% 30.0%
繁盛店 67.0% 33.0%

繁盛店は客単価も3,200円→3,700円と500円高いため、より高単価=高原価の肉が多く出ている可能性が考えられます。熟成黒毛和牛の比率が上がれば、売上は伸びますが原価率も上がります。

この構造から読み取れること

このFCでは「どれだけ売るか」より「家賃をいくらに抑えるか」が利益を決めます。

仮に繁盛店の売上(1,530万円)を、平均店の家賃(105万円)で実現できれば——利益は4,776,000円、利益率31.2%になります。家賃105万円の差が、そのまま利益の差です。

本サイトで扱った大衆酒泉テルマエでも同じ構造を確認しましたが、松五郎のPLは「繁盛しても利益が増えないケース」を数字で示しているという点でより示唆的です。

FL比率50%という優秀さ

一方で、このFCの収益性の高さも数字に表れています。

原価率(F) 人件費率(L) FL比率
平均的な店舗 30.0% 20.0% 50.0%
繁盛店 33.0% 20.0% 53.0%
飲食業の一般的な目安 30% 30% 60%

人件費率20.0%は飲食業として極めて低い水準です。一般的な目安(30%)を10ポイント下回っています。

これが可能な理由は、本部が特徴①と③で説明しています。

  • 「オペレーションはとてもわかりやすく簡単に設定しているので、未経験者や高校生でも難しくなく行うことができます」
  • 「ひとりひと鍋なので、お客様の滞在時間は約30分以内と回転率が高いです」

ひとりひと鍋という形式は、設備投資を押し上げる一方で、オペレーションを単純化し、滞在時間を短縮するという効果を生んでいます。鍋を取り分ける必要がなく、客が自分のペースで食べて帰る。30分で回転する飲食店は、同じ席数でより多くの客を受けられます。

月間客数3,600人は1日120人。この回転率が人件費率20%を支えています。

サマリーの数字はPLの2パターンが混在しています

サマリー 該当するPL
月間売上 1,160万円 平均的な店舗と完全一致
営業利益 372万円 繁盛店(3,726,000円)とほぼ一致

売上は平均店、利益は繁盛店——異なるパターンの数字が組み合わされています。

もっとも、平均店の利益は3,520,000円なので差は20万円。他のFC資料で見られたような大きな乖離ではありません。平均店ベースで月350万円前後と見ておけば実態に近いでしょう。

回収期間の検証

初期費用4,300万円に対し、平均店の利益3,520,000円で割ると約12.2ヶ月。黒字化までの2ヶ月を加えても約14.2ヶ月です。

本部表記の「1年半〜2年」は、この計算より長めの設定になっています。物件取得費と内外装費が実費表記であることを踏まえ、上振れを織り込んだ保守的な数字と考えられます。

七代目松五郎の3つの特徴

① アルバイトがメインで運営できるオペレーション

「オペレーションはとてもわかりやすく簡単に設定しているので、未経験者や高校生でも難しくなく行うことができます」。

人件費率20.0%という数字がこれを裏付けています。高校生でも回せるということは、採用の母集団が広く、時給も抑えられるということです。

しゃぶしゃぶは調理工程がほぼない業態です。肉をスライスし、野菜を盛り、湯を張った鍋を出す。火入れは客自身が行います。この構造が、未経験者でも回せる理由です。

② 原価率が安定していて、収益を上げやすい

「独自の肉の仕入れルートがあるため、原価率が安定し収益を上げることができます」。

注目すべきは「安定」という言葉です。「低い」ではありません。

肉の相場は変動します。熟成黒毛和牛という高級食材を扱う以上、相場の影響は大きい。それを独自ルートで安定させる——これが本部に加盟する実質的な価値のひとつです。

PLの原価率は30%(平均店)。飲食業として標準的な水準ですが、黒毛和牛を使ってこの水準というのは、仕入れルートの強さを示しています。

③ 高回転率で売上が高い

「ひとりひと鍋なので、お客様の滞在時間は約30分以内と回転率が高いです」。

通常のしゃぶしゃぶ店は、グループで鍋を囲んで1〜2時間滞在します。松五郎はひとり1鍋にすることで、滞在時間を30分に圧縮しました。

これは内外装費3,000万円の投資回収を可能にする設計でもあります。全席に鍋設備を入れるコストは高いが、その席が1日に何度も回れば、投資あたりの売上は大きくなります。

客層にビジネスマン・OLが挙げられているのも、この時間設計と合致します。昼休みに和牛しゃぶしゃぶを30分で食べて戻れる——オフィス街を推奨エリアとする理由です。

加盟前に確認すべき2つの注意点(本部公表)

① 鍋の中は「湯」のみ

本部は商品設計について、正直に書いています。

「食べ放題のしゃぶしゃぶなどは、鍋湯の中は多種多様な出汁を提供しているが、我々は一貫して鍋湯の中は”お湯”のみです。その代わり、季節毎につけだれを開発しお客様に飽きられない工夫をしています」

これは競合との明確な違いです。多くのしゃぶしゃぶチェーンが「選べる出汁」を売りにするなか、松五郎は湯一本。

その理由は、本部コメントを読めば分かります。肉そのものとポン酢・ゴマだれで勝負するという設計だからです。ポン酢の開発に2年半かけたと述べているとおり、価値の中心はタレにあります。

オペレーション上も、湯だけなら仕込みが要りません。人件費率20%という数字にも寄与しています。

ただし「出汁の選択肢がない」ことが集客上どう働くかは、検討しておくべき論点です。本部自身が注意点として挙げているのは、そこに自覚があるからでしょう。季節ごとのタレ開発で飽きを防ぐ、という対応策も示されています。

② 食品衛生管理の資格

「店舗には1名有資格者(食品衛生責任者)を配置する必要があります。座学を1日受ければ取得できる簡単な資格です」。取得のハードルは低く、大きな問題にはなりません。

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売上が好調な店舗の特徴

「お客様との良好な関係を築くことにより常連のお客様を多く掴んでいる店舗」。

理由はこう説明されています。「常連のお客様がベースを支えてくれていることにより、新規を獲得すると多くの売上を獲得することができる」。

これはPLの広告宣伝費が月10万円(売上比0.9%)に収まっていることと整合します。常連で土台を作り、その上に新規が乗る構造なら、集客コストは低く抑えられます。

月3,600人という客数を、オフィス街の限られた商圏で埋めるには、週に何度も来る人が必要です。滞在時間30分・客単価3,200円という設計は、日常使いしやすい価格と時間でもあります。

客層

  • ビジネスマン
  • インバウンド旅行者
  • ファミリー層
  • OL
  • 20代の若者

「日本伝統のしゃぶしゃぶを世界へ」というコンセプトどおり、インバウンド需要が明確に位置づけられています。推奨エリアに「ホテルが多く立っている場所」が入っているのもこのためです。

想定人物像にも「インバウンド需要を獲得したい方」が挙げられており、和牛しゃぶしゃぶという訪日客に分かりやすい商品で観光需要を取りにいく設計になっています。

ひとり1鍋という形式も、言語が通じなくても分かりやすいという点で外国人客と相性が良いと言えます。

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まとめ

  • ひとりひと鍋のしゃぶしゃぶ専門店FC。4店舗(直営2・FC2)。熟成黒毛和牛と2年半かけたポン酢が商品の核
  • 初期費用4,300万円は本サイト最高額。内外装費3,000万円(実費)が70%を占める
  • ロイヤリティ売上の5%
  • 公開PLは経費計・利益・ロイヤリティがすべて一致。人件費率も両パターンで20.0%ちょうど
  • 繁盛店の利益率24.4%<平均店の30.3%——売上32%増でも利益は6%増にとどまる
  • 原因は家賃の倍増(105万→210万円)と原価率の悪化(30%→33%)
  • FL比率50%・人件費率20%と優秀。滞在時間30分の高回転が支える
  • 本部公表の注意点は鍋の湯は出汁ではなくお湯のみであることと食品衛生責任者

商品力と収益構造の両面で、よく設計されたFCです。人件費率20%・FL比率50%・営業利益率30%という数字は、飲食業として極めて優秀な水準です。「ひとりひと鍋」という形式が、設備投資の重さと引き換えにオペレーションの単純化と高回転を実現しています。

PLの精度も高く、サマリーとの乖離も20万円程度にとどまっています。

最大の論点は初期費用4,300万円です。しかも内外装費3,000万円と物件取得費は実費表記。全席への鍋設備という性質上、削りようのない投資でもあります。

そしてPLが示す「繁盛しても利益が増えない」という構造は、このFCを検討するうえで最も重要な示唆です。家賃をいくらに抑えられるかが、売上を伸ばすこと以上に利益を左右します。

検討する際は、①物件取得費と内外装費の実額見積もり(4,300万円で収まるのか)、②候補物件の家賃が売上想定の10%以内に収まるか、③直営2店・FC2店それぞれの実際の家賃と利益——この3点を確認してください。特に③は、PLの2パターンが実在店舗のどれにあたるのかを知る手がかりになります。

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