dog holidayは自宅の空き部屋で開業するケージレスのドッグホテルFCです。初期費用84万円、固定費は月1.2万円のみ。公開PLを検算したところロイヤリティ欄に誤記が見つかり、実際の利益はサマリー表記の3〜28万円であることが判明しました。
※本記事にはプロモーション(広告)が含まれます。
- 加盟金
- 50万円
- 初期費用
- 84万円
- ロイヤリティ
- 売上の30%
- 損益分岐の目安
- 黒字化まで1ヶ月〜
- 店舗数
- 1店舗
自宅で開業するケージレス犬ホテル
本部の公式サイト・公開資料の数字をもとに掲載しています。詳しい前提は本文をご確認ください。
dog holidayとは
dog holidayは2WAY株式会社(代表:佐藤陽一氏)が展開する「空き部屋」ドッグホテルのフランチャイズです。
業態は自宅でドッグホテルを開業するというもの。本部のコメントはこうです。
「リピート率は88%と高く、犬を愛でて感謝される幸せなビジネスです。dog holidayは日本では珍しい『犬の福祉』に特化したドッグホテルです。従来の犬の知識やビジネスモデルとは正反対のスタイルのため、犬の知識がない初心者の方でもまったく問題ありません。日本の犬業界は圧倒的に遅れており、世界的にはペット後進国と言われています。私たちと一緒にビジネスを通して日本をペット先進国に変えていきましょう!」
店舗数は1店舗。募集段階は1次です。推奨エリアは人口1万人以上の市区町村であればどこでも(持ち家戸建て、または商用利用ができるペット可物件)。
初期費用の内訳
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 加盟金 | 50万円 |
| 研修費 | 30万円 |
| 備品 | 2万円 |
| 消耗品費 | 1万円 |
| 初期広告費 | 1万円 |
| 初期費用合計 | 84万円 |
この費用を法人で用意するなら
FC本部の多くは法人での加盟を条件にしています。会社設立には登録免許税などの実費がかかりますが、サービスの利用で実費負担を抑えられる選択肢もあります。
内訳の合計は84万円で表記と完全に一致しています。
84万円は本サイトで扱っているFCの中で最安クラスです。理由は明快で、自宅を使うため物件費も内装費も設備費もかからないからです。備品2万円・消耗品1万円という金額が、必要なものの少なさを物語っています。
加盟金+研修費で80万円——初期費用の95%が本部へのフィーです。つまり買っているのはノウハウと研修そのものということになります。
収益モデル
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 月間売上 | 6〜42万円 |
| ロイヤリティ | 売上の30% |
| 営業利益 | 3〜28万円 |
| 黒字までの期間 | 1ヶ月〜 |
| 初期費用回収期間 | 3ヶ月〜 |
| 店舗数 | 1店舗 |
ロイヤリティ30%は高い水準に見えますが、家賃も人件費もかからないこの業態では、見え方が変わります(後述)。
月間PL(本部公開・3パターン)
| 項目 | 良くないお店 | 平均的なお店 | 繁盛しているお店 |
|---|---|---|---|
| 客数(会員数) | 2 | 8 | 14 |
| 客単価 | 30,000円 | 30,000円 | 30,000円 |
| 売上 | 60,000円 | 240,000円 | 420,000円 |
| 原価 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 粗利益 | 60,000円 | 240,000円 | 420,000円 |
| 家賃 | — | — | — |
| 人件費 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 水光熱費 | 0円 | 0円 | 0円 |
| 交通費 | 0円 | 0円 | 0円 |
| ロイヤリティ | 30,000円※ | 30,000円※ | 30,000円※ |
| 広告宣伝費 | 10,000円 | 10,000円 | 10,000円 |
| その他(トイレシート等) | 1,000円 | 1,000円 | 2,000円 |
| 経費計 | 41,000円 | 41,000円 | 42,000円 |
| 加盟店オーナー利益 | 19,000円 | 199,000円 | 378,000円 |
※本部注記:「あくまで記載の数値は実績値であり、結果を保証するものではございません」。
検算結果:売上・経費計・利益の計算は一致
客数×客単価=売上、経費の合計=経費計、粗利益−経費計=利益——これらはすべて正確です。
ただしロイヤリティが「売上の30%」になっていません
PLのロイヤリティは3パターンとも30,000円で固定されています。しかしサマリーには「売上の30%」と明記されています。両者を比較すると——
| 売上 | 売上×30% | PL計上額 | 差 | |
|---|---|---|---|---|
| 良くないお店 | 60,000円 | 18,000円 | 30,000円 | -12,000円 |
| 平均的なお店 | 240,000円 | 72,000円 | 30,000円 | +42,000円 |
| 繁盛しているお店 | 420,000円 | 126,000円 | 30,000円 | +96,000円 |
売上が増えてもロイヤリティが30,000円のまま——明らかに計算式が適用されていません。
サマリーの数字で検証すると、すべて辻褄が合います
では、どちらが正しいのか。サマリー表記の「売上の30%」で計算し直して、他の数字と照合してみました。
| 30%で再計算した利益 | PL表記の利益 | |
|---|---|---|
| 良くないお店 | 31,000円 | 19,000円 |
| 平均的なお店 | 157,000円 | 199,000円 |
| 繁盛しているお店 | 282,000円 | 378,000円 |
ここでサマリーを見てください。営業利益「3〜28万円」と書かれています。
再計算した下限:31,000円 ≒ 3万円
再計算した上限:282,000円 ≒ 28万円
サマリーの「3〜28万円」と完全に一致しました。
さらに回収期間でも裏が取れます。初期費用84万円を再計算後の繁盛店利益282,000円で割ると——
840,000円 ÷ 282,000円 = 約3.0ヶ月 → 本部表記「3ヶ月〜」と一致
結論:サマリーの数字が正しく、PLのロイヤリティ欄(30,000円固定)が誤記と判断できます。
実際の利益は繁盛店で月28.2万円(PL表記より9.6万円少ない)、平均店で月15.7万円(同4.2万円少ない)と見ておくべきです。加盟前に必ず確認してください。
固定費がほぼゼロという構造
PLで目を引くのが、経費の少なさです。
- 家賃「—」——自宅なので計上なし
- 人件費0円——自分でやる
- 水光熱費0円——自宅の光熱費に含まれる
- 原価0円——預かるだけなので仕入れがない
- 交通費0円——移動しない
実際に出ていくのは広告宣伝費10,000円とトイレシート代1,000〜2,000円だけ。合計1.1〜1.2万円です。
本部が特徴①で「自宅でドッグホテルを開業するというビジネスモデルのため、店舗ビジネス最大のリスクである固定費がほぼかかりません」と述べているとおりです。
そしてロイヤリティ30%も、この文脈で評価すべきです。
| 一般的な店舗型FC | dog holiday | |
|---|---|---|
| 家賃 | 売上の10%前後 | 0% |
| 人件費 | 売上の30%前後 | 0% |
| 原価 | 売上の30%前後 | 0% |
| ロイヤリティ | 売上の5〜10% | 30% |
ロイヤリティ率だけ見れば高いものの、それ以外がすべてゼロ。結果として売上の約67%が手元に残ります(繁盛店の場合)。
この事業の規模感
一方で、冷静に押さえておくべきは事業の規模です。
| 会員数 | 売上 | 利益(再計算後) | |
|---|---|---|---|
| 良くないお店 | 2 | 60,000円 | 31,000円 |
| 平均的なお店 | 8 | 240,000円 | 157,000円 |
| 繁盛しているお店 | 14 | 420,000円 | 282,000円 |
最も繁盛しているケースでも月28万円です。本サイトで扱ってきたFCの中では、最も小さい規模になります。
ただし初期費用84万円・固定費月1.2万円で、自宅にいながら月28万円と考えれば、投資対効果は極めて高いと言えます。本業の傍らで、あるいは在宅での収入源として——そういう位置づけの事業です。
本部が想定人物像に「在宅で仕事をしたい方」「空きスペースを有効活用したい方」を挙げているのも、この規模感を踏まえてのことでしょう。
dog holidayの3つの特徴
① 固定費がかからない
前述のとおり、自宅開業という一点がすべての軽さの起点です。店舗ビジネスで最大のリスクである「売上が落ちても家賃は出ていく」という事態が、構造的に起きません。
② 高単価&高利益率
「ケージレスでわんちゃんを預かるニーズは非常に高く、愛犬のために費用を惜しまない高所得者層が顧客対象となるため、高単価でも成り立つサービスとなっています」。
「ケージレス」がこのサービスの核心です。一般的なペットホテルは犬をケージに入れて預かりますが、dog holidayは家の中で自由に過ごさせる——これが「犬の福祉に特化」という本部の表現につながります。
客層が「30〜60代の愛犬家(女性)/高所得」とされているとおり、愛犬をケージに入れたくない人が顧客です。月30,000円という単価は、その価値観に対する対価だと言えます。
③ 未経験からでも始められる
「犬のトレーニングをするわけではないので、ハンドリングスキルや深い知識は必要ありません。また、研修で犬の知識やビジネスの知識を同時に手に入れられるため、未経験でもすぐにビジネスを始めることができます」。
そしてもう一文、見逃せない記述があります。
「さらに、1年後には入手困難な動物取扱責任者の資格も取得できます」
動物を扱う事業を営むには第一種動物取扱業の登録が必要で、事業所ごとに動物取扱責任者を置かなければなりません。この資格要件を満たすには、実務経験や所定の資格などが求められます。
本部が「入手困難」「1年後には取得できる」と書いているとおり、これは一朝一夕には得られないものです。研修費30万円の価値の一部は、ここにあると考えられます。
ただし「1年後に取得できる」ということは、開業時点では持っていないことになります。開業初年度をどういう形態で運営するのか——これは法令遵守に関わる重要な論点なので、加盟前に必ず確認すべきです。
加盟前に確認すべき3つの注意点(本部公表)
① 売上の上限がある
本部は率直に書いています。
「受け入れ可能な頭数に限界があるため、『ホテル預かり』だけでは売り上げも頭数に応じて限界があります。クロスセルとして別のサービスも提供していくことで売上は伸ばせます」
PLが示すとおり、繁盛店でも会員14人・月42万円が上限です。自宅のスペースと、1人で面倒を見られる頭数には物理的な限界があります。
この点は、本サイトで扱ってきた他のFCと決定的に違います。多くの業態が「客数を増やせば売上が伸びる」のに対し、dog holidayは天井が最初から決まっています。
本部は「クロスセル(別のサービス)」で伸ばせるとしていますが、その具体的な内容は資料に記載がありません。トリミング、ドッグトレーニング、送迎など様々考えられますが、何をどう追加できるのかは確認しておく価値があります。
② 物件の条件がある
「ペット事業として利用可能な物件、または持ち家である必要があります」。
推奨エリアの欄にも「持ち家戸建て or 商用利用ができるペット可物件」と明記されています。
これは参入条件そのものです。賃貸マンションに住んでいる人は、原則として始められません。持ち家の戸建てを持っていることが、実質的な前提になります。
逆に言えば、該当する物件を持っている人にとっては、眠っている資産を収益化する手段です。「空き部屋ドッグホテル」というブランド名が、そのまま事業の本質を表しています。
③ 先住犬との相性
「先住犬が他犬と仲良くできない場合、管理が少し難しくなります」。
ケージレスで預かる以上、自宅にすでに犬がいる場合は相性が問題になります。
これは事前に完全には判断できない要素です。自分の犬が他の犬と過ごせるかどうか——加盟を検討する段階で、本部に相談しておくべき点でしょう。
フランチャイズ図鑑の有料note
失敗しないフランチャイズ本部の選び方
契約前に“数字”と“条項”で見抜く
この記事で挙げた「確認すべき点」を、どの本部にも使える形にまとめました。本文8,800字。
- 良い本部と危ない本部を見分ける判断基準(数字で確かめる方法つき)
- 契約書・開示書面で必ず質問すべき条項
- 収支シミュレーションの「盛られやすい場所」と、その見抜き方
- 説明会と既存オーナー訪問でそのまま使える質問テンプレート
- 購入者特典:チェックリストPDF/収支シミュレーション添削シート/質問テンプレート
集客はInstagram広告と紹介制度
本部サポートは「Instagram広告、リファラルマーケティング」の2本立てです。
- 「情報感度が高い愛犬家をターゲットに、エリアで絞って広告を出すことが可能なため」
- 「紹介制度を戦略的に取り入れることで質の高い顧客獲得が可能なため」
PLの広告宣伝費は月10,000円。繁盛店(売上42万円)でも売上比2.4%という軽さです。
これが成立するのは、必要な会員が14人だけだからです。何千人も集める必要がなく、エリアを絞った広告と紹介で十分——事業規模が小さいことが、集客コストの低さにつながっています。
そして本部が冒頭で挙げるリピート率88%。1度預けた飼い主の9割近くが戻ってくるなら、会員14人を維持するのに必要な新規獲得はごくわずかです。
客層
- 30〜60代の愛犬家(女性)
- 高所得
- インスタ等のSNS利用者/情報感度の高い方
月30,000円という単価を払える層、かつケージに入れないことに価値を感じる層です。本部が「犬の福祉に特化」と表現する差別化が、そのまま顧客の選定基準になっています。
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まとめ
- 自宅でケージレスのドッグホテルを開業するFC。1店舗、募集段階1次
- 初期費用84万円は本サイト最安クラス。95%が加盟金と研修費
- ロイヤリティ売上の30%。ただし家賃・人件費・原価がすべてゼロ
- PLのロイヤリティ欄(30,000円固定)は誤記と見られる。サマリーの「営業利益3〜28万円」が正しい
- 実際の利益は平均15.7万円/繁盛28.2万円(PL表記より4.2万〜9.6万円少ない)
- 固定費は広告費1万円+消耗品1〜2千円のみ。回収は約3ヶ月
- 売上に物理的な上限がある(会員14人・月42万円)。本部もクロスセルの必要性を明記
- 本部公表の注意点は売上上限・物件条件(持ち家が前提)・先住犬との相性
本サイトで扱ってきた60ブランドの中で、最もリスクが小さく、最も規模が小さい案件のひとつです。初期費用84万円、固定費は月1.2万円、自宅があれば始められる——失うものが極めて少ない構造になっています。
「ケージレス」「犬の福祉」という切り口も明確で、リピート率88%という数字がその支持を示しています。1年後に動物取扱責任者の資格を取得できるという点も、将来的に事業を広げるうえでの資産になります。
一方で、会員14人・月42万円という天井は最初から存在します。これは欠点というより業態の性格です。独立して生計を立てるというより、持ち家の空き部屋と自分の時間を月28万円に変える——そういう事業だと理解するのが正確でしょう。
検討する際は、①PLのロイヤリティ30,000円固定は誤記か(実際の利益は3〜28万円か)、②開業初年度の動物取扱責任者はどうするのか、③本部が言う「クロスセル」の具体的な中身——この3点を確認してください。特に②は、法令に関わる最重要項目です。
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FC本部の多くは法人での加盟を条件にしています。会社設立には登録免許税などの実費がかかりますが、サービスの利用で実費負担を抑えられる選択肢もあります。
開業後、この数字を管理するのはオーナー自身です
本部が示すPLはあくまでモデルケースです。実際に原価率や人件費率が計画どおりに収まっているかを毎月確認し、ズレの原因を潰していくのは加盟店側の仕事になります。開業前の事業計画づくりから決算まで相談できる税理士を見つけておくと、数字の異変に早く気づけます。
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